カンヌ国際映画祭を10倍楽しむために知っておいてほしいこと

カンヌ国際映画祭を10倍楽しむために知っておいてほしいこと

ここ数年日本人の活躍が華々しく報じられるカンヌ国際映画祭ですが、どこでどんなことをしている祭典なのかご存知ですか。今回は日本ではまだあまり知られていない、カンヌ国際映画祭について詳しく解説します。

カンヌ国際映画祭とは?


今年もカンヌ国際映画祭の日程や、選定された作品、審査委員の話題が増えてきており、開催地であるカンヌもお祭りムードが高まってきましたよね。ところで、このカンヌ国際映画祭、なぜこんなに映画界を賑わす一大イベントになっているのか、ご存知ですか?受賞者の歓喜する姿をみて、すごい賞だというのは知っていても具体的なことを知っている人は少ないかと思いますので、本日はこのカンヌ国際映画祭についてご紹介します。

高級リゾート地フランス南東部で開催

 

カンヌ国際映画祭は、フランスの南東部、地中海に臨むコート・ダジュール(Côted’Azur)で、ニース(Nice)に次ぐリゾート地として有名な場所です。近郊10kmのアンティーブ(Antibes)には、ピカソが住んでいたグリマルディ城(ChateauGrimadi)があるなど、文化・芸術展発展の中心地としても世界的に有名な場所です。

またこの地にある建物、パレ・デ・フェスティヴァル(PalaisdesFestivals)は、映画祭をはじめさまざまなイベントとして使用される会場で、カンヌ国際広告祭(6月)、国際音楽産業見本市のMIDEM(1月)や、世界最大級の映画産業の見本市であるMIPTV(4月)とMIPCOM(10月)も開催されています。世界三大映画祭の中で最も権威があるとされるカンヌ国際映画祭はこうした映画界最大規模のマーケットの中で毎年5月に開催されています。

映画関係者にとって最大規模のマーケット

#Photocall Les lauréats / The prizewinners #Cannes2017 Ruben Östlund – Palme d'or © AC POUJOULAT / AFP

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カンヌ国際映画祭が開催される5月には、世界三大マーケットのひとつである国際見本市(マーケット)も開催されていますが、このマーケットには例年数千人の映画製作者、バイヤー、俳優などが揃い、世界各国から集まる映画配給会社へ新作映画を売り込む場となっているんです。

このように、世界三大映画祭と世界三大マーケットが同時に開催されるのはカンヌだけであるため、世界中の映画人が一堂に会する映画祭として常に高い注目を集めているわけです。また、厳しいドレスコードも権威の高さを表しています。ソワレと呼ばれる夜の部の上映では、男性はタキシード、女性はイブニングドレスや着物などのフォーマル着用が必須とされています。取材陣もブラックタイを着用しないと撮影ができないほどの徹底ぶりです。

どんな種類の賞があるのか?

近年、日本映画界のめざましい活躍のお陰で、日本にもカンヌ国際映画祭の話題が多く入ってくるようになりましたよね。しかし、まだまだ知らないことはたくさんあります。そこで、気になるカンヌ国政映画祭の部門と賞の一覧をご紹介しましょう。

コンペティション部門

シアターリュミエールで上映される、カンヌ映画祭の中心となる部門です。パルム・ドールは最高賞のことであり、その年よっては2つ以上の作品が選ばれることもあります。各賞は以下の通りです。

  • カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
  • カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ
  • カンヌ国際映画祭 監督賞
  • カンヌ国際映画祭 男優賞
  • カンヌ国際映画祭 女優賞
  • カンヌ国際映画祭 脚本賞
  • カンヌ国際映画祭 審査員賞
  • 国際批評家連盟賞

パルムドールは単語を区切って書くと、パルム・ド・オール。黄金の棕櫚(シュロ)賞という意味で、カンヌの市章をかたどっています。

「ある視点」部門

独特の視点や世界観を表現した作品や人物に贈られる賞ということになっていますが、どういうことなのかご説明しましょう。映画はビジネスなので売り込みが大切です。せっかくいい映画を作っても誰も観てくれなければ、駄作のレッテルを貼られ消えていきます。よって場合によっては、埋もれてしまう名作があるということです。この部門は実はそんな映画のためにあります。もっと言えば、ハリウッド映画のような派手さはないけれども、”見れば見るほど味があって、心にしみる深い映画”部門ということになります。私がカンヌ国際映画祭の中でも最も好きな部門でもあります。他の賞は以下の通りです。

  • 作品賞
  • 審査員特別賞
  • 最優秀監督賞
  • 新人賞
  • 名脇役賞(A Certain Talent)

パラレルセクション

この部門は作品に反映された文化や音楽に対して贈られる賞です。この部門で日本の作品が出てくるのを待っているのですが、なかなか難しいようですね。

  • トゥ・レ・シネマ・ドゥ・モンド
  • シネマ・デ・ラ・プラージュ
  • ゴールデンカメラ
  • カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール(新人監督賞)
  • カンヌクラシックス 過去の名作の上映会。

その他の部門

他にも以下のような部門と賞があります。

  • シネフォンダシヨン(学生作品対象)
  • 短編部門賞
  • スペシャルスクリーニング(特別招待作品)
  • コンペ外作品部門

出品および審査方法は?

#Redcarpet 70e anniversaire / 70th anniversary #Cannes70 Les Présidents de Jurys / The Jurys Presidents © V. Hache / AFP

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最も権威があって、最も注目度の高いカンヌ映画祭。どのような方法で審査されているのか。またどのように審査されているのか気になりますよね。ここからは、そんな出品方法と審査の流れを詳しくご紹介します。

誰でも出品できる一般公募制

権威があると聞くと、特別に推薦されないと出品できないイメージを持つ方もいらっしゃるかも知れませんが、実はカンヌ国際映画祭はだれでも出品することができます。そのため、カンヌ国際映画祭でデビューなんてのも不可能ではありません。しかし、現実的には、賞はレベルの高い作品に贈られますのでハードルがかなり高いことはお分かりいただけるかと思います。それにしても、これだけ権威のある賞でありながら一般公募しているのは驚きですよね。

特に基準はなく審査員の感性による

カンヌ国際映画祭の話題の中心はレッドカーペットを歩くセレブ達がほとんどのように見えますが、実は話題の半分は誰が審査員に選ばれたかという話です。それだけ、この賞の基準は審査員である俳優や監督達の感性によるところが多いということになります。

例えば、第47回のクリント・イーストウッド審査委員長が選んだクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(94)と、そのクエンティン・タランティーノが審査委員長を務めた第57回で受賞したマイケル・ムーア監督の『華氏911』(04)という組み合わせです。これらの選定は、審査委員本人の映画に対する考え方や趣味趣向が受賞結果に反映された例として、最も分かりやすい結果でしょう。しかし、決して完全な個人的判断というわけではありません。カンヌの権威を損なわないその時代に即した、常に新しい感性でもってジャッジするということが真意になります。

どのような日程で進むのか?

Le Palais se prépare… The Palais is getting ready… #Cannes2017 #lights #RuePrincipale #Palais

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いよいよカンヌ国際映画祭は当日が一番派手に報道されますが、実は3ヶ月以上の時間がかけられています。2017年を例にご紹介しましょう。

3月ー応募締め切り

2017年のカンヌ映画祭のシネフォンダシヨン部門の応募締め切りが1月15日であったように各部門によって日程が変わってきます。しかしおおかた3月までには全ての部門の応募が締め切られます。

4月ー各部門の作品が決定

2017年は4月13日にコンペティション部門の作品が発表されました。要は1次審査を進んだ作品という認識でいいと思います。また上映場所や上映日時も発表されていきます。各作品がスタート台に並ぶような感じですね。この時点で選ばれているだけでも私はすごいことだと思いますよ。

5月ー映画祭にて上映・審査・受賞

いよいよ最終審査というところでしょうか。1ヶ月ほどある期間の中で、上映され審査されていきます。監督を始めとする映画関係者が最も緊張する期間であることは言うまでもありませんが、カンヌは観客の評価がダイレクトに出ることでも有名です。面白くないと思えばその場で席を立ったりするため、上映後にスタンディングオベーションが渡ろうものなら、その場で泣き崩れてしまう監督が出てしまうのも納得できますね。

一般客も上映作品を観れるのか?

残念ながら会場内へは、関係者のみしか入ることができず、米アカデミー賞のように会場内の様子は中継されません。では、一般人は全く立ち入ることができないのかと言われたら、そうではありません。「シネマ ドゥ ラ プラージュ」という屋上でカンヌクラシック作品や、ワールドプレミアム作品の上映には参加することができますので、充分に楽しむことができます。

米アカデミー賞との違いは?

A picture of me lookin' fly

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ここまでで、カンヌ国際映画祭のことをだいぶご理解いただけたのではないかと思います。最後に米国アカデミー賞との違いについて触れておきたいと思います。

選定対象と審査方法が違います

アカデミー賞は、監督や俳優といったハリウッドの映画人で構成される約6300人の映画芸術科学アカデミー協会の会員が、その年にアメリカで劇場公開された作品(約300本)リストの中から一番良かったと思う映画に投票するという形で行われます。アカデミー賞が映画界の“身内”によって選ばれる賞、と言われる理由は実はここにあります。また、受賞結果がファンの評価と一致しないことが度々ありますが、それはやはり選定に際して、アメリカ映画界の思惑が絡んでくるからだと、厳しく批判する人もいます。

米の娯楽性に対して仏の芸術性

アメリカは映画を娯楽と捉えます。もちろん、その通りです。気分をリフレッシュする目的で映画館に通い人も少なくないことでしょう。しかし、映画は同時に絵画や彫刻、音楽のように芸術でもあります。カメラや俳優を使って、人の心情や葛藤をも描くことができます。どちらを重視するかによって変わってきます。米アカデミー賞とカンヌ映画祭はそんな違いがあっても映画を愛する心は変わらないのではないかと、たちばなは考えています。

カンヌ国際映画祭は芸術の祭典

本日は、カンヌ国際映画祭に関してご説明しましたが、いかがでしたか。カンヌは世界中の人が人種の壁を超えて、映画という名の芸術の元に集う祭典です。期間中、受賞結果以外にもたくさんのドラマが生まれます。このブログでも、できるかぎりご案内していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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